2011年11月25日金曜日

「ポーキー反対派にいじめられている」 ウールワースが主張

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● 独占スーパーマーケット Woolworth



NICHIGO PRESS 2011年11月24日
http://nichigopress.jp/ausnews/politics/31057/

「ポーキー反対派にいじめられている」
株主総会でウールワースが主張

  国内スーパーマーケット独占企業の1社ウールワースは、全国に300近いホテル(パブの意味)を経営しており、11月24日には、連邦政府の「強制ポーキー賭け金制限制度」法案の批判に加わったが、即日、「ポーキー反対派からいやがらせを受けている」と声明を出した。
 
 シドニーで開かれた株主総会で挨拶したジェームズ・ストロング会長は、
 「当社は、よく調査し、賭博中毒者を助ける真の解決策となるなら、
 ポーカー・マシン改革を支持するが、
 強制賭け金制限制度は、何の問題もなく、楽しみで適度にプレーする客の楽しみを妨げるものでしかない。
 しかも、問題を抱えた賭博中毒者を助けることができるという証拠はまったく見つからない。
 労働党政府は、アンドリュー・ウィルキー無所属議員との取引で、賭け金と配当の高いポーカー・マシンで遊ぶ場合にはいくらまで賭けることができるかを予め設定しなければならない制度を実施しようとしている」
と語った。
 ウールワースは、ALHグループの投資を通して294軒のパブを経営しており、そのうち249軒に賭博機械が備えられている。
 ストロング会長は、
 「ALH所有の店は、パブまたはクラブの賭博施設としては約4%を占めるだけで、賭博機械の台数でも全国の約6%を占めるだけ」
と語っている。
 ALHは、政府提案と似た制度だが、政府案の「強制」と違って個人の任意で上限を設定することができる制度を支持している。
 ストロング氏は、
 「当社は、賭博中毒者を助ける様々な取り組みをしてきた
と語っている。

 ポーキー改革派は、ウールワース株主総会を標的にしており、取締役会に62,000人の署名を提出する計画を建てており、連邦議会上院のニック・ゼノフォン無所属議員やオンライン社会政治運動団体GetUpのサイモン・シェイク全国理事長も株主総会に出席している。
 ゼノフォン議員は、AAPのインタビューに答え、
 「ウールワースはその言葉とは裏腹に国内で最大のポーキー機械所有者だ
 皮肉なことに、ウールワースの所有する賭博機械に金を注ぎ込んだために、ウールワースで食料を買うこともできない人達がいる」
と語っている。(AAP)


 ウールワース(Woolworth)といえばオーストラリア・ナンバーワンのスーパーマーケット。
 一時代前の日本のダイエー、あるいはイトーヨーカドー、春日部ならサトーココノカドーみたいなもの。
 それがポーキー反対派にイジメにあっているという。
 理由は「賭博中毒」に手を貸しているというわけ。

 さて、ポーキ-(あるいはポーキー・マシン)とはなんぞや、ということですが、wikipediaから。


 初めてのビデオスロットは、1970年代後半、ちょうどビデオゲームが産業として華々しく発展していた時期に登場し、最先端のハイテクノロジーを駆使したゲーム機として注目を集めた。
 
 2000年前後頃になると、コンピュータ技術も格段に向上し、高度なコンピュータグラフィック表現を用いたボーナスゲームなど、ゲームの魅力を高めるフィーチャーにその能力が発揮されるようになってからは人気が高まり、カジノを席巻するまでになった。  
 ビデオスロットは、また、リールマシンでは無理があるようなペイラインの設定などでも、グラフィックによる自由度の高い表現力で克服できるとして、1回のゲームによりたくさんのお金をかけることが出来るような作りにし易かったという点も、現在の隆盛を見る要因の一つと言える。

 ビデオスロットにおいては、本来は「ポーキーマシン(pokie machine)」と呼ばれるオーストラリアのレギュレーションに沿うための仕様である、トランプのランクを示唆するA(エース)、K(キング)、Q(クィーン)、J(ジャック)、10(テン)の文字シンボルを含む5リールのビデオスロットのスタイルが、オーストラリアの有力なスロットマシンメーカーの台頭とともに、北米などオーストラリア以外の市場でも広まっている。




 遊びとしては日本のパチンコみたいなものですね。
 パチンコに熱中して、車に置き去りにした赤ん坊が熱中症にかかったというようなニュースはたびたびみかけます。
 これはどちらかとおうと若い人。
 ポーキーに熱中するのは年金ぐらしのお年寄り。
 支給された年金をすべてポーキーにつぎ込んで、その日暮し人なる老人があとをたたないのが現状。
 
 街中の大きな酒屋の横にだいたいあるのが「TAB」。
 日本でいうWINS(場外馬券売り場)のようなもので「TAB(ティー・エー・ビー)」といわれています。
 いわゆるオーストラリアの政府公認のブックメーカー(いわゆる賭けの胴元)。
 ここに置かれているのが、ポーキーマシン。



 ワインを買ったつでにTABに入り、丸椅子に座ってちょっとヒマつぶし。
 通りを歩いていて看板に「GAME」と書いてあるところがある。
 テレビゲームかなと思ったら間違い。
 このゲームがポーキーである。

 酒屋だけでなく、ローンボールのクラブハウスやレストランやいろいろなところに置いてある。
 日本ならさしずめ自動販売機みたいなもの。
 壁の片隅に2,3台おいておけば、それだけで店は儲かる仕組みになっている。

 サイトから抜粋で。


ゴールドコースト勝手に配信所 2008/12/31
http://australiagc.blog28.fc2.com/blog-entry-116.html#



 キラキラ輝くスクリーン。
 陽気で賑やかな効果音。
 今回の『雑学帳』は、『ポーキー』 - いわゆる、オーストラリア版スロットについて。
 年末年始およびクリスマスは、結構大当たりが出ると言われています。

 カジノはもちろん、オーストラリアではバーやホテル、ソーシャル・クラブでもお馴染みのお手軽ギャンブルマシン。
 18才になったばかりの子供から、おじいちゃんおばあちゃんにも人気の娯楽ですね。

 日本のパチスロでも馴染み深い『スロットマシン』ですが、元々は1890年代にニューヨークの酒場などでそのプロトタイプ的な娯楽機器が流行ったのが始まりだそうです。
 今ではどの国のカジノでも楽しむ事ができますが、日本を除けば、アメリカ発祥だけあって英語圏の国で特に多く見られるとか。
 ちなみに『ポーキー(Porkie)』というオーストラリアでの愛称は、『ポーカー・マシーン(Poker Machine)』をもじった呼び名です。

 さて今回の質問は、「オーストラリアのポーキーは、世界の主要国にあるスロットマシンの何パーセントを占めているか?」ですw
(A) 1% 未満。
(B) 5% 程度。
(C) 10% 程度。
(D) 20% 以上。
 いきなりこんな事を聞かれても回答しずらいですかね?

 ではオーストラリアの対比人口を参考にしてみて下さい。
 下の表はオーストラリアと、スロットマシンが比較的に多く普及していると言われるアメリカ、イギリス、日本のおおよその人口などをリストアップした物です。
 右の数値は、それらと比較したオーストラリア人口のパセンテージを表しています。



 さあ、世界人口のおよそ 0.003% しか占めないオーストラリア。
 果たしてスロットマシンの台数は世界の何パーセントに及ぶのでしょうか?
 気になる答えは明日水曜の夜、お明かし致します


【答え】
 さあ少し古い資料になりますが、答えはオーストラリア賃金生産委員会(Australian Productivity Commission: 通称APC)が1999年末に発行した『オーストラリアのギャンブル業界(Australia's Gambling Industries)』というレポートから抜粋してきました。

"Australia has about 185 000 gaming machines, over half of which are in New South Wales. Data provided to the Commission since the draft report, together with other information, suggest that this amounts to about 20 per cent of the number of broadly comparable machines in the world."

 "オーストラリアにはおよそ18万5000台のゲーミング・マシン(スロットの事)があり、その大半はニュー・サウス・ウェールズ州に置かれている。
 当レポートの作成に当たり委員会に提供されたデータと、その他の資料を掘り下げると、この数は世界中にある同様のマシンの約20パーセント以上に相当する事を示す。"

 と言うことで正解は、(D)20% 以上でした~☆

 ・・・ってか多すぎだろ、おい、世界人口の0.003%しか居ないんだぞ?(--;)

 まあ、10年前のデータですし、近年ではATMの取り除きをはじめ『ポーキー撲滅政策』が盛んだったので、多少はマシになってる筈ですが・・・。
 未だにオーストラリアのギャンブル破産者の多くがポーキー中毒者だという事も否定できない事実なのです。

 ちなみに今年7月に発表された昨決算期のポーキーによる年間収益額は、ギャンブル中毒者率が最も多いというヴィクトリア州(人口520万人)だけで実に$26億 - 日本円にしておよそ2600億円に達したとか。
 きっとギャンブル税による収入も、政府にとっちゃ馬鹿にならない額になるんでしょうね(^^;)

 兎に角もオーストラリア人は世界有数のギャンブル好き民族。
 もう少しどうにかなって欲しいものです!(><;)




 ウールワースがこのポーキーの出資者である、というのが最初の記事の内容。
 日本風に言うと、ダイエーやイトーヨーカドーがパチンコ店を経営しているようなもの。
 もし、ダイエーが儲かるからといってパチンコ店を経営したらどうなるか。
 品格を疑われ、袋叩きにあって企業としては消えていくだろう。
 パチンコにはダーデイーな影がつきまとう。

 それに対してポーキーはゲームということで、いやに明るい。
 何しろこちらの人は早々にリタイヤする。
 それを楽しみに働いているといってもいい。
 がしかし、リタイヤしたはいいが、そうそうやることがあるわけではない。
 タップリと余分なお金があるわけでもない。
 とすれば、ありあまるヒマをもてあましてしまう。
 こんなハズではなかったが。
 そんな心理に深く食い込んでいるのがGAME。
 若い時からGAMEに熱中するのは、リタイヤしたときに時間にむなしくならないようにという、精神的安全性を確保するためのもの。
 
 日本なら朝からパチンコ店に出入りしていたら、老人といえども後ろ指を指される。
 が、GAMEなら家で密かにできる。
 気がむいたら、出かけていってポーキーでもやればいい。
 少しばかりスルが、安上がりでまあ気晴らしには最高。
 だが、これにのめり込んでしまう老人が後を絶たないとういうことが問題になっているというわけ。
 
 ポーキーが賭博なのかGAMEなのか、解釈で意見が別れてくる。
 なにしろ現代にあってGAMEは世界の大文化。
 これどうやったってやめさせることはできない。
 賭博は、これもだめ。
 何しろGAMEよりはるかに伝統をもつスーパー文化。

 Woolworthがイジメられる ?
 なにしろあそこはガリバーだからな、少しは痛い目にあったほうがいい。
 ここの値付けで物価が決まってくるほどに影響力のある店。
 自社の都合によってやたらと高いものを買わされることがある。
 そして、ふんだくるように儲けている会社。
 
 「イジメられている」、あのwoolworthが泣き言をいうだけで、消費者はスッキリするかも。
 が、woolworthもしたたか、そういうポーズをとっているだけかも。


(注).写真はgooogle画像より



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 その後
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NICHIGO PRESS 2011年12月11日
http://nichigopress.jp/ausnews/news/32072/

NSW、「低所得層の賭博癖を狙え」
スター・カジノ外部報告書が提案

 12月11日付サン・ヘラルド紙は、シドニー市内ダーリング・ハーバー北にあるスター・カジノの外部リサーチ企業が作成した、
 「身分不相応の生活をしたがる低所得階層の射幸心を煽るよう
提案する報告書の内容を報道した。

 24ページの報告書は、
 「Electronic Gaming Machines, Planning for 2011(電子ゲーム機器、2011年計画)」
と題されており、シドニー首都圏の低所得賭博癖の持ち主をターゲットにすることで大幅な収益増が見込めるとしている。

 報告書は、見込み賭博客をいくつかのカテゴリーに分類し、
 「bilingual backgrounds(バイリンガル世帯)」、
 「new wave(新移民)」、
 「eclectic origins(文化折衷)」
などの名前が付けられている。
 その分類説明として、
 「収入は低いが、その収入を超えた生活への野心が強い」とか、
 「収入を超えた生活をするための資金源を賭博に求めるため、賭博傾向は高い
などとされている。

 スター・カジノ側は、
 「この報告書は外部のマーケット・リサーチ企業が作成したもので、スターの考えを代表するものではない。
 スターは、高級な娯楽施設であり、低所得者をターゲットにして、収入を超える賭博をさせることには関心がない」
と発表している。
 ただし、同カジノのウェブサイトによると、スター・エクスプレスと呼ぶ送迎バスを走らさせており、シドニー首都圏周辺の主だった地域に午前7時30分から午前1時まで賭博客の送り迎えをしている。
 その主だった地域にはバンクスタウン、カーリングフォード、キャブラマタ、ハーストビルなど、低所得階層地域やアジア系新移民の多い地域などが含まれている。(AAP)


 つまり、ポーキーマシンというのはパチンコと同じで決してお金持ちはやらない。
 日本ならパチンコというのはヒマツブシに過ぎないが、ここではれっきとした趣味。
 それもどちらかというと低所得者層の。
 リサーチ企業の社会心理学的分析は的を射ていると思える。

 


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 <<後日の追加>>
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NICHIGO PRESS 2012年4月16日
http://nichigopress.jp/ausnews/news/37304/

「クラブの慈善、地域社会貢献は隠れ蓑」
モナシュ大学の調査で「賭博中毒者から利益吸収」


 4月15日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙は、クラブ産業の寄付を調べた初の研究で、クラブが、慈善や地域社会への貢献度は、賭博中毒者から利益を吸い上げている実態を見えないようにする隠れ蓑になっているとする大学研究者の調査結果を報道している。

 モナシュ大学の研究では、クラブの得る利益に比べると、慈善団体などへの拠出は「微少」で、地域スポーツ活動への資金拠出方法は非常に効率が悪いばかりか、コストも大きい。
 また、パブやクラブのポーキー(スロットマシン)で金をする賭博常習者が多い地域は、すべて労働党議員選挙区だった。
 研究を指導したチャールズ・リビングストン教授は、
 「ポーカー・マシンの収入が地域社会に役立っているという主張は、ポーカー・マシン運営を正当化することが主目的としか考えられない。
 ポーカー・マシンが相当な社会的害悪になっていることは間違いない。
 地域社会への利益という主張は、地元スポーツ・クラブや慈善団体の支持を得るための目くらましであり、同時に、ポーカー・マシンの害悪から眼をそむけさせる役目も果たしている」
と語っている。

 2010年度のNSWでは、ポーキー・ファンは総額で50億ドルを失っており、州人口で言えば、年間大人一人が$1003を失っている計算になる。
 また、クラブは地域社会団体や慈善に6,350万ドルを寄付しているが、これは賭博客がポーキーに注ぎ込む金額の1.3%にしかならない。
 VIC州では、賭博客は26億ドルすっており、これは大人一人あたり$701に相当する。
 一方、クラブは地域社会団体や慈善に628万ドルを寄付しており、賭博客の失った金のわずか2.4%にしかならない。

 この研究調査は、福祉団体のUnitingCare Australiaがモナシュ大学の研究者に依頼して実施した調査であり、賭博中毒を減らそうとする連邦政府の政策に反対するキャンペーンを実行しているクラブ産業が標的としている選挙区別にポーキー客の失う金額も調査した。
 その結果、ポーキー客の損失額がもっとも大きい選挙区はすべて労働党選挙区という興味深い結果が出た。
 州内で、住民の平均所得額に対してポーキー客の損失額がもっとも大きい選挙区はシドニー首都圏西部のブラックスランド選挙区で、ジェーソン・クレア内務相の地盤では、住民の24%がポーキーで遊んでおり、ポーキー客1人あたりの損失額は$7056で、平均所得額の34.2%に達している。
 また、それに続くのは、ビル・ショーテン労使関係問題担当相の地元、メルボルンのマリビルノング選挙区でポーキー客人口は1人あたり$6699で、平均所得の25.7%をポーカー・マシンに注ぎ込んでいる。
 UnitingCare Australiaのリン・ハットフィールド=ドッズ全国部長は、
 「これで明らかなように、ポーカー・マシンは、低所得地域に集中しており、一銭もムダにできないはずの低所得者や福祉受給者が大金を賭博に注ぎ込んでいることが分かる」
と分析している。
 しかし、ClubsNSWのジョッシュ・ランディス政策担当部長は、この研究結果を否定し、
 「賭博反対ロビーの宣伝。非営利クラブ産業以上に地域社会や慈善に金を出している産業は他にない」
と語っている。(NP)











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